実践
<馬連に旨味があったケース>
【1988年秋の天皇賞】
複勝
タマモクロス=1.3倍、
オグリキャップ=1.1倍
単勝
が発生してしまうのです!
ナリタブライアン、アーモンドアイ、ジェンティルドンナ、リスグラシューといった
デビュー戦で、無名の馬にコロッと負けてるんです!!
デビュー戦なんて、そんなもんです。だからデビュー戦の結果をもって、、、
「ニシノウララは、新馬戦で、アーモンドアイを2馬身突き放して勝った!」
なんて結果を、強さの尺度にはできないんですよ。
ニシノウララは、このデビュー勝ちの次走で、レッドレグナントに
手も脚も出ない3馬身の完敗を喫するわけですが、
そのレッドレグナントは、桜花賞でアーモンドアイに
10馬身以上ぶっちぎられての
2桁着順!!
アーモンドアイの桜花賞制覇は、新馬戦2着の後、3走後ですが、レッドレグナントを尺度にすると、
デビュー戦のニシノウララに対する
2馬身ビハインドだったものが、
15馬身以上の強さ!
に大・大逆転してます!
アーモンドアイが、
日本競馬史上最多G1勝ち
8勝
を達成している一方、新馬戦でアーモンドアイを負かした
ニシノウララ
の近4走の着順は、2勝クラスで
16着
16着
15着
13着
です。新馬戦の着差、着順とは、そういう側面があることは知っておくべきでしょう。
一方、ディープインパクトやエルコンドルパサーの新馬戦のビデオを見たことのある人ならわかるように、、
「誰が見ても、違う生き物としか思えないような驚嘆のパフォーマンス(タイムでなく動きのダイナミックさや脚の回転の速さ)」
から、明らかにG1を勝ちまくるだろう!というケースもあります。
新馬戦からは、何も把握できない!
という極端なことを言ってしまうと、それはそれで、本質を外すので、固定観念には縛られないように柔軟に判断することも必要です。私が「基礎」編で、アナログ判断の大切さを訴えてるのは、そういうことです。
話がそれましたが、新馬は、そういう側面があるので、予想は難しいし、強弱序列の手掛かりとすることには注意が必要です。そして、このことは、キャリアの浅い馬同士の未勝利戦についても同じことが言えます。
サラブレッドは、競馬レースなど「全く手探りで走り始めるので」、走らせる側の意図(勝つこと)に沿い始めるまでに多くの試行錯誤を要する馬がいます。能力が劣ってるわけではなく、折り合わなかったり、走る気を起こさないってことで凡走を繰り返す馬もいるので、突如、激走ってこともあります。
だからキャリアの浅い馬同士の未勝利戦の予想も、前走の着順の良さだけに飛びつくことなく慎重に対処することが必要です。
キャリアの浅い馬同士の未勝利戦の「難しさ」は、力が拮抗しているということではなくて、、、
多くの馬が「調整(調教)」にせよ、レースでの立ち回りにせよ・・・
手探り段階の馬が多く「前走の結果がまったくアテにならない位の変わり身」を見せることが多いので勝負には向かないということです。
未勝利戦を狙うのであれば、以下の条件を満たすレースに絞りましょう!!
■4~5戦のキャリアを経て、概ね着順が安定してきている馬同士の未勝利戦
■芝の新馬・未勝利で「いいスピード」を見せたものの「掲示板」程度だったのでダートに下野してくる人気馬が
いない未勝利戦(芝の方がレベルが高いのでダート下野馬は人気がしますがダート適性があるとは限りません。)
上記条件が確認できた上で「科学的アプローチ」によって「この2頭(あるいは3頭)が抜けている!」というので
あれば勝負に値します。ひとつだけ例外があって、芝未勝利戦にしろ、ダート未勝利戦にしろ「スタートから常に
14~16番手追走を繰り返し、ビデオを見ても追走に手綱をしごきっぱなし」のような馬は4~5戦も待たずとも
見切っていい(変わり身はない!)です。「競馬をわかっていなくて凡走を繰り返しているが変わり身が怖い」のは
基本的に「走力(スピード)」ありき!!が大前提です。
問題は、スピードの制御(リラックスして走れたり、折り合って力を温存すること)に問題があるが故のガス欠や、
馬を怖がることがほとんどで(そういう場合は内枠→外枠、前に行かずに後方に控える、矯正馬具装着、乗替等)、
スピードの絶対的欠如はどうにもなりません!!
そういう「ふるい」にかけた上でであれば、「新馬で勝ち抜けた馬が抜けた後」のレースとはいえ、まだまだ玉石
混交状態であり、割と「強い馬と弱い馬」の選別がつきやすい、狙いやすい(勝負しやすい)レースといえます。
ここまでを整理すると・・・
全3300レース強(除く障害)のうち・・・
300程度(9%程度)の新馬戦は、勝負は要注意!
1150程度(35%程度)の未勝利戦のうち・・・
■短距離戦の勝負は要注意!
■直線短い平坦小回りも注意
■キャリアの浅い同士の未勝利戦も勝負は要注意!
そうすると・・・・
1600m以上の未勝利戦で、「かつ一定レース経験のある馬同士」ということになるので・・・
1150レースのうち、勝負の対象として吟味できるレース数は、
500レースに満たない
と思った方がいいです(1600m以上のレースが約700で、そこから小回り平坦ローカルや、キャリアの浅い馬同士のレースを除く)。
よって、、、、
新馬・未勝利は、全体レース数の45%と非常に多くなってますが(レース数で1450レース)、、
そのうち、勝負を見極める対象(その中で抜けた馬が見つかったレースが勝負レース)は
約3分の1くらい、全体の15%ってことですね(45%の3分の1)!!
その500レースのうち、「1~3頭抜けた馬」がいるレースを見つけるわけですが、どの程度あるかはわかりませんが、半分あるかないかでしょうね~
500レースの40%程度の200レースとして、50週開催100日で割ると・・・
1日2レース程度。東西で「1レース程度」といったところでしょうか???
これを季節も考慮してみると・・・
■3歳未勝利、秋初頭に終焉となる「地方に下野するか引退」のかかったサバイバル未勝利が終わると、秋中ごろ以降
は2歳未勝利戦で、10~12月と今頃ですが、この時期はデビューから日も浅く「キャリア浅い馬同士の未勝利」
が多い時期といえます。だから「1日2レース(東西ひとつづつ)」っていうほどないと思っていいかもしれません。
■未勝利でそういうケースが出てくるのは年明け以降くらいと見ていいでしょうね
次に条件戦を見てみましょう!
ここからは少し話が込み入ってきますよ!!
1勝クラス(旧500万下) 約1000レース(全体の30%程度)
2勝クラス(旧1000万下) 約450レース(全体の13%程度)
3勝クラス(旧1600万下) 約190レース(全体の6%程度)
という、条件クラスですが・・・
季節と「対象年齢条件」によって、、、
ぜんぜん違いますっ!!!
基本原則としては、
「条件クラスは力の拮抗した馬の戦い」
となりますので、勝負馬券には向かない!!という結論になりそうな気がしますが・・・
実態は以下のようになっているので、その見極めが必要です。拮抗状態になる「勝負レースに向かない時期」と
「玉石混交!!めちゃ強い馬が混じっていて、むしろ勝負!ねらい目!!」っていう時期・条件もあるのです!!
だから「1勝クラス」という単一のカテゴリーに押し込んで「ボ~」っと考えていてはいけないんです!!
例えば「1勝クラス」とはいっても、約1000レースの内訳は(2019年数字)
①2歳限定 1勝クラス 36レース(26レースは特別レース)
②3歳限定 1勝クラス 132レース
③3歳以上 1勝クラス 521レース
④4歳以上 1勝クラス 304レース
に4区分されるんだけれども・・・
①と②は、
デビュー直後に「新馬、未勝利」を早々に勝ち上がって、クラシックを目指す
超エリートサラブレッドたちが
2戦目に出てくるレースです。クラシックへの布石として!!
それは、クラシックシーズンが終了した後に「古馬の勝ちあぐねている1勝クラス」に格付けされる
弱い最下級条件クラスとは「意味の異なる1勝クラス」なんですね・・・
特に2歳限定戦は、※重賞レースも非常に少ないですから、「最下級条件クラス」という意味合いは
ほとんどないです!
※2歳の新馬・未勝利は584レースもあるが、重賞は30レースだけ。1レース16頭が出走するにしても
584頭が全て出るならば、1頭1回しか機会がない!!
まずは①、②区分の「1勝クラス勝ち馬」っていうのは、そんな軽く見てはいけない・・・
G1を勝つような馬もバンバン出ています。
さて、名実ともに「最下級条件クラス」といえるのは、
③3歳以上 1勝クラス
④4歳以上 1勝クラス
と言っていいか?というと・・・
これも季節によって違います。
③と④が同時に行われることはなくて・・・
1月~6月までが ④4歳以上 1勝クラスで
6月~12月までが ③3歳以上 1勝クラスです。
まあ、みなさん、おわかりと思いますが、6月のダービー終了までは「3歳」はダービーを頂点とする
同一世代の争いを同一世代限定レースで実施しているので、その期間に実施される「古馬」の1勝クラスには
3歳は出てない!!
ってことです。
ダービーが終わった後で、3歳世代が、4歳以上の条件クラスに合流するのです!!
まずここを抑えてください!!
そうすると、ちょっと見方が変わってきます(季節によって)
6月の3歳が合流する時期を基点に考えてみましょう!!
■この時期に3歳のツワモノが合流してきます!
3歳限定は「1勝クラス」が、そもそも「クラシックへの足がかり」であることから、ここを勝てなかった
馬は「決して弱い」とは決めつけられません。2、3歳限定の1勝クラスの数は上に書いたとおり
168レースしかない!!
ので、中央入りの4000頭の「上位5%」に入ります(重賞やオープン勝ち馬含めて200強としても)
その関門は突破できなくても「上位10%には入っている」って馬がゴロゴロいる・・・
そんな馬たちが、昨年の6月から1年かけて
「1勝クラスを勝てない古馬(4歳)」に混ざるわけです・・・
5歳であれば、丸2年「1勝クラス」で停滞しているわけ・・・
そりゃあ3歳の強豪がバンバン勝ちますよ!!
だからこの時期は「運悪くクラシックシーズンは勝てなかったが、古馬混合1勝クラスなららくらく突破」
できる3歳を特定できれば、
「拮抗しているから、馬券勝負は難しい・・・」
というジレンマから抜け出せます!!!
強い3歳は狙い撃ち!!
です!!特に芝では!!
ダートはやはり「経験による長(砂かぶりとか、苦しさに耐えるメンタリティ)」が勝るので
3歳の若き勢いでは古馬の壁はちょっと厚い・・・そう思っていいです。
まあ、3歳合流組には当然、「来年まで」あるいは「再来年まで」この1勝クラスにとどまる
弱い馬
もいますから、3歳なら何でも狙い打ち!!
ではないので、くれぐれも「単純なデジタル的発想」にならないように!!
そんな状況が
6,7,8月あたりまで継続すると・・・
強い3歳はひととおり
「2勝クラス」に上がっていきますから・・・
9月当たりからは
ドンドン、ドングリの背比べ!!拮抗状態になっていく・・・
おそらく10~12月は、その拮抗状態のピークではないですかね・・・
あ、「全馬拮抗状態」ってことじゃないですよ??!!
上位5~6頭って意味です。
つまり馬券圏内の3頭には、「絞りきれない頭数の拮抗状態」になるってこと・・・
ここから何が言えるのかというと・・・
この時期の「前走2着だ、3着だ」なんていう「一見、次の好走が約束されているように見える」
着順はあてにならないってこと・・・
ころころ変わります!!!
ただしっ!!例外はあります!!
というのは、この時期3歳は急成長している馬が古馬よりは、圧倒的に多いですからね・・・
その「伸び率」はしっかりと見込んでやる必要があります!!
俯瞰すると「そういう状況である」ということを覚悟した上で「おそらく勝負できるレースの割合は
低くなる」ということを頭において、
無理やり勝負レースの弾数(たまかず)をそろえようとしないこと・・・
この時期はなかなか見つからない・・・
と思っていた方がいいですね・・・
で、年が明けて・・・
1月以降、次の世代の3歳が合流してくるまでの半年間ですが・・・
今度はまたちょっと違うことが起きる・・・
負け続けて勝ちあがれない馬たちが残るように思いますが、その区分としては・・・
「何とか掲示板」ってタイプと
「もう煮ても焼いても食えない」ってタイプ
「めちゃくちゃムラ馬で、本当にごくまれにだけ走る気を起こす」
ってのが残る(これは想像です・・・。またその季節が来る前に見直します。今日は想像・・・汗)。
「上の方が抜けていく」と、相対的に「煮ても焼いても食えない馬比率」がグンと高まりますね・・・
そうすると、前年に「何とか掲示板」だった馬たちが「勝ち負け」し始める・・・
一方で、煮ても焼いても食えない馬たちは「掲示板」に入り始める(メンバーに恵まれるので)
そうすると「煮ても焼いても食えない馬」は絶対に勝てない水準なのに、「掲示板に乗れるのならば」
ということでソコソコ人気になってくる・・・
こんな感じで「相対的に上位の馬」のオッズにうまみが発生してくる。そして結構しっかり勝ってくれる。
こういう時期になると見てます・・・。
まあ条件クラスってのは、1年間の間に「狙い方」がちょっと変わってくるので、そこは十分考えながら
勝負レースを探しましょう!!
※2勝クラス、3勝クラスの考え方は、日を改めて追記します。
今回は「とりあえず条件クラスを一年通して同じアプローチの仕方をしないように!!」ということ
だけ理解しましょう!!
4.力が抜けてる馬の見極め方
その科学的アプローチ手法
■どういう馬場状態(タイムの出やすさ=スタミナ消費負担度合い)で、どういうタイム・ラップを刻んだか?
■結果として、どういう相手とどういうラップ差、着差になったか?
これが基本です。当たり前と思われるでしょうが、これなくしては「核」ができませんね、、、、